
当社は2025年7月3日、京都で開催された国内最大級のスタートアップイベント「IVS」のピッチコンテスト「IVS2025 LAUNCHPAD」にてスタートアップ京都国際賞(優勝)を受賞しました。当社の省電力、生産性向上などに貢献する様々な金属複合素材や事業のグローバル展開への可能性に加え、エンターテイメント性を生かしたプレゼンテーションに高い評価が得られたと受け止めています。

今回のピッチコンテストは約350社超の国内外のスタートアップ企業が応募し、15社が決勝に進出しました。決勝戦では組み立てロボット制御の人工知能(AI)やスナック運営効率化サービスなど、独自の技術やビジネスモデルを持つユニークな事業が注目され、約2000席の会場でスタートアップ関係者の熱気に包まれるなかでの戦いとなりました。
当社は、半溶融状態の金属を成形する世界トップクラスの「溶湯鍛造法」(ようとうたんぞうほう)を用いることで、様々な機能性を有する新しい金属複合素材を紹介しました。データセンターなどの業務用空調に使われる回転部品では、従来の鋳鉄製から新素材に変えることで約65%の軽量化が実現でき、これにより全世界の年間消費電力の約3%(日本全体の電力消費300日分相当)が削減できると試算しており、電力不足問題の解決に近づける切り札と考えています。

一方で、日本が得意とする素材ですが、その可能性が十分に理解されていないと考えます。今回のピッチコンテストでは、多岐の分野に渡り環境負荷の低減や生産性向上、製品の高度化に貢献する新素材開発への取り組みや創業の思いを多くの皆様にご紹介させていただく機会ととらえ、特にプレゼンテーションでは、この点をよりわかりやすく理解していただけることに注力させていていただきました。

今回のピッチコンテストの優勝により、当社の事業の将来性が評価されたと受け止めています。IVSは2007年にスタートし、今年で19年目となる国内外のスタートアップなどが一堂に会する日本最大規模のスタートアップカンファレンスです。23年からは3年連続で京都で開かれ、今年は7月2日から7月4日にかけて「IVS 2025」(IVS KYOTO実行委員会)が開催されました。300社超の出展や、AIやエンターテインメント、ディープテック(先端技術)など様々なテーマのセッション、イベントを実施。この中のピッチコンテストは目玉コンテンツの1つで起業家が事業内容の紹介で競う次世代起業家の登竜門と言われており、過去にはfreeeやSmartHR、クラウドワークスなどの急成長企業が優勝を果たしています。
当社はすでに、空調大手のダイキン工業や半導体ウェーハで世界トップの信越化学工業などからの出資を受け、量産化に向けた体制強化などに着手しており、さらにより多くのグローバル企業との協業を推し進めています。今後とも様々な可能性を有する素材の提供を通じてSDGsに貢献するグローバル企業を目指すため、更なる事業領域の拡大を推し進めてまいります。