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高熱伝導絶縁新材料の特許取得およびサンプル出荷開始

 アドバンスコンポジット株式会社(本社:静岡県富士市、以下「当社」)は、高熱伝導絶縁新材料(樹脂セラミック複合材料)を開発、このたび特許を取得しサンプル出荷を開始したことをお知らせします。

 電子機器は内部で発熱するため、外部に放熱する必要がありますが、回路基板の絶縁素材にはセラミックや樹脂が採用されています。セラミック素材は強度と絶縁性、熱伝導性に優れているため、パワーモジュールや車載用LEDヘッドライト、ヘッドアップディスプレイ等の市場で独占的に使用されています。一方、樹脂素材は軽量で製造や調達が比較的容易で低コストであることから、パソコンやスマートフォンなどの電子機器、家電、インバーターなどで多用されており、さらにはセラミック基板の独占市場においても、樹脂を絶縁体とする金属基盤が市場シェアを拡大しています。

 この度、当社が開発した複合材は、セラミック素材と樹脂素材の優れた特性を生かし、高熱伝導性と高い絶縁性能・強度を実現しました。セラミック素材よりも製造が容易なため、調達期間の短縮や調達コストの低減が期待できます。

 一方、電子機器などで高性能化と小型化が進むなかで、「熱伝導性」に弱点がある樹脂素材は、これまで以上に効率的に放熱する性能を求められています。当社が開発した複合材は、一般的な樹脂よりも遥かに熱伝導率が高いため、絶縁基板としての放熱性能が格段に向上し、製品の信頼性向上に寄与します。また、セラミックと樹脂の両素材の中間に位置することから樹脂やセラミック素材の代替品として、絶縁基板市場の新たなラインナップに貢献します。市場シェアを拡大してきた樹脂素材に比べて、樹脂セラミック複合材料は絶縁基板の高熱伝導化を可能とするため、電子デバイス、半導体、ロボット、ゲームなど発熱に課題を持つ幅広い領域の絶縁基板市場において信頼性と低コストという付加価値を提供します。

【素材特性】
・密度:1.85g/㎥
・比熱:0.75~0.80J/kg・K
・熱伝導率:18~20W/m・K

【効果】
・高熱伝導の実現
・樹脂に対して高い絶縁性能を持つ
・セラミックに比べて低コスト
・セラミックに対して調達が容易
・セラミックスに対して大面積化が可能

 FORTUNE BUSINESS INSIGHTSによれば、プリント基板の世界市場は、2023年が約697億ドル(約10兆8000億円)で、2032年までに約1135億米ドル(約17兆8000億円)に成長すると予測されています。高熱伝導のプリント基板のニーズが高まる中で、当社は今回開発した「高熱伝導絶縁樹脂セラミックス複合材」を電子機器の金属絶縁基板材料として早期に展開していく計画です。まずはパワーモジュール市場にターゲットを絞り、3年後には量産立ち上げ時に売上高10億円、5年後同100億円を目指し、将来的にはプリント基板市場の10%のシェア獲得を目指します。

 また、今回開発した複合材は、以下のイベントにおいて実物をご覧いただけます。ぜひご来場いただき、当社の技術をご体感ください。

展示会名:パワーデバイス&モジュールEXPO
詳細:https://www.nepconjapan.jp/tokyo/ja-jp/about/pdm.html
会期:2025年1月22日(水)~24日(金) 10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト 東7ホール E63-74

【問い合わせ先】
アドバンスコンポジット株式会社
〒417-0801 静岡県富士市大渕2259番地9
TEL:0545-32-7904
マーケティング室 石田

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