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グラファイト系金属基複合材料の新素材「ACM-H3」の開発に成功

アルミニウムと銅の欠点を補う新材料:銅よりも軽く、アルミニウムより強度があり、チタン並みの熱膨張率をもち、熱伝導率を含めてバランスの良い新材料の開発に成功

2023年5月17日 アドバンスコンポジット株式会社

アドバンスコンポジット株式会社(本社:静岡県富士市大淵、代表取締役社長:庄司 隆敏)はこのたび、当社のユニークな技術、溶湯鍛造法(高圧鋳造)によりグラファイト由来の金属基複合材料の新素材「ACM-H3」を開発しました。アルミニウム基の複合材の新たなラインナップとして「ACM-H3」のグラファイト系複合材の供給を開始します。

当社のユニークなコア技術、溶湯鍛造法(高圧鋳造)を使用し、これまでとは違う新しい製造法を実現しました。それにより、要求するニーズに合わせて、熱伝導、熱膨張、強度など、物性値を任意に設計することが可能になりました。現行のグラファイト系複合材のラインアップ「ACM-a」 「ACM-io」 は物性値が限定的でしたが、物性値がニーズに合わせて設計できるものは今回が初めてです。

<ACM-H3について>

今回開発した「ACM―Hシリーズ」はアルミニウムとグラファイトを複合、含浸してつくる、金属基複合材です。アルミニウム・銅の代替(ヒートシンク)や高剛性放熱構造部材、車載に対応できる高剛を有した材料として製品の信頼性を向上させる新素材です。
グラファイトにはない特徴として、①剛性が123Gpa②熱膨張性は銅・アルミニウムより低く、③銅・アルミニウムより大きい熱伝導性を持ち合わせています。さらに④アルミニウムと同等の軽さで⑤銅と同等の高い剛性(ヤング率)を有しています。

これまでにない素材の特長として、高熱伝導性、低熱膨張性で異方性が小さい。これまでの素材は横方向の熱膨張性が低く、熱伝導率が高くでも、積層方向の熱膨張性の値が極端に悪かったり、熱伝導率の値が低いものはありましたが、当素材は縦横方向に等方性の新素材となります。

製品の詳細については下記の通りです。
1.素材名称 : 新素材「ACM-H3」
2.商品特長.技術概要 :
アルミニウムとグラファイト等の複合材
① 剛性が123Gpaと大きく、従来の熱膨張率が銅の約1/2
② 軽さは銅の1/3、アルミニウムと同等
③ ヤング率はアルミニウムの1.5倍
④ 熱膨張性はチタンと同等
⑤ 熱伝導性は純アルミニウムと同等
⑥ 熱伝導性、低熱膨張性で異方性が小さい
⑦ 当社の配合技術で配合を変えることで特性値を設計しニーズに合わせた機能付与が可能
⑧ 以前の製法より大きなサイズ(400mm x 400mm)が可能

3.サンプル素材供給時期 :2023年6月より 実用化に向けたサンプル素材の供給は開始し、量産化に向けた製造方法を2023年内に確立することを目標とします。

当社は、「ACMシリーズ」の用途展開として、グラファイトの代替 ②銅やAlsicの代替として放熱板、半導体搭載基板などの用途向けを中心に、熱対策部材から構造部材まで、アイテムを幅広く揃え、SDG’sの時代に向けたサステナブル新素材としてご提案していきます。

リーフレットのダウンロード、詳細のお問い合わせはこちらからどうぞ。
https://advance-composite.co.jp/contact/

<ご参考>
 アドバンスコンポジット株式会社は、5/24(水)~5/26(金)に開催される「人とくるまのテクノロジー展2023横浜」の静岡県ブースに出展します。新素材「ACM-H1」「ACM-H2」「ACM-H3」金属基複合材ほか、当社グループの金属基複合材素材を展示いたします。是非ともご来場ください。
【展示会概要】
展示会名 : 人とくるまのテクノロジー展2023横浜
展示会概要: 同展示会の公式HP https://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/  
【会期】 2023年5月24日(水)~26日(金)  リアル会場 コマ番号25
2023年5月17日(水)~6月7日(水) オンライン会場
【会場】 パシフィコ横浜
【主催】 公益社団法人自動車技術会 

■金属基複合材とは?
近年の高機能素材の需要に対して、炭素繊維、セルロースナノファイバー、 有機EL、 ファインセラミックスなど様々な新素材の使用が拡大している。また、複数素材の組み合わせにより高機能な設計が可能な複合材料も誕生している。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、セラミックス複合材(CMC), そして金属基複合材(MMC: Metal Matrix Composites)などです。「2種類以上の材料を組み合わせ、
それぞれの特性を生かし、単一素材では達成できない特性や機能を実現する」といった従来の材料にはないユニークな特徴を持っています。 単一金属材料だけでは必要特性が出せない場合に、金属をベース(マトリックス材)にしたMMCの需要が拡大し始めています。 
 当社においては、既に6種類以上のアルミニウム基の複合材料の素材を開発、製造、販売、展開をしています。

当社は、複合材は軽くて強く、熱伝導率、膨張係数などの素材特性を制御できる材料として、環境・エネルギー問題の解決や多くの産業分野で実用化され適用が拡大されることが期待され、新素材として今後大きな進化を遂げると考えている。当社の溶湯鍛造法で製造される様々なMMCは、軽量、高強度、高放熱性、低膨張性などの特性を有し、課題解決に合わせた最適設計ができるので、様々な機器の高性能化、軽量化などに貢献できるように、複合化技術をさらに進化させることで、今までにない新しい特性をもつ材料を設計、提供できるようにして行きたい。

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